研究課題/領域番号 |
14770430
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
有川 順子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00266743)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 黄色ブドウ球菌 / アトピー性皮膚炎 |
研究概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)患者皮表では黄色ブドウ球菌(黄ブ菌)が健常人に比較して高率に検出される。セラミドから脂肪酸とともに分解され生成するスフィンゴシン(Sph)はin vivoでは黄ブ菌に対して抗菌力を有することが報告され、健常人皮膚における細菌防御に何らかの役割をはたしている可能性が示唆されている。そこで14年度はAD患者角層における黄ブ菌の菌数を定量し、同部位での酸性セラミダーゼ(CDase)の変化と、その代謝生成物で天然抗菌スフィンゴ脂質であるSphの変動を解析し、AP角層における細菌への防御機構につき検討した。その結果、Sph量はAD患者角層の皮疹部、無疹部において健常人と比較し有意に減少していた。Sph量の減少は同じ検体で行った黄ブ菌のコロニー数の増加に伴い顕著な減少がみられた。また、酸性CDase活性についてはADで有意に減少していた。Sph量と酸性CDase活性、セラミドとの間には正の相関がみられた。そこで、15年度はAD患者(教室員)4人の角層の黄ブ菌の菌数を定量し、同部位に0.1%、1%Sph(pet)とコントロールとして白色ワセリンを、前腕に外用1週間、2週間、3週間した後の黄ブ菌コロニー数をそれぞれ測定した。その結果、3週間まで0.1%、1%Sphコントロール共にコロニー数に有意差はみられなかった。しかしAD角層での細菌の定着のしやすさが、抗菌力を有するSphの減少と、その基質であるセラミドの減少、代謝酵素酸性CDase活性減少に起因することは既に示唆されており、有意差がみられなかった原因として、基剤に問題があると考え、再度蒸留水や他の基剤を甲いてSphが細菌に対する防御機構の1つの役割を果たしている可能性を実証する。
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