研究課題/領域番号 |
14770447
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森田 明典 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90334234)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 放射線誘発アポトーシス / p41 / p41特異的抗体 / p41誘導阻害剤 / オルトバナジン酸ナトリウム / ミトコンドリア |
研究概要 |
アポトーシスにおけるp41の検出は、これまでヒトの培養細胞に限られていたが、マウスpro-B細胞株Ba/F3細胞やマウス乳ガン細胞株FM3Aを主に用い、作成したp41特異的抗体がヒトだけでなくマウスアポトーシスの検出にも有用であることが明らかとなった。 このp41を指標とし、X線照射直後のMOLT-4細胞の培養液中に種々の薬剤を加え、p41誘導阻害効果を検討、カスペース阻害剤の他に、チロシンホスファターゼ阻害剤として広く用いられているオルトバナジン酸ナトリウム(Na_3VO_4、Valladate、以後バナデート)をp41誘導阻害剤として見出し、実験を進めた結果、バナデートは直接のカスペース活性阻害効果は認められなかったが、バナデート処理した照射細胞のカスペース活性化を抑えることによってp41誘導を阻害していた。更にバナデートは、放射線や抗癌剤によるアポトーシスを抑制し、他の幾つかの刺激によるアポトーシスは抑制しなかったことから、DNA損傷が引き起こすアポトーシス経路を主として抑制していると考えられた。次に、カスペース阻害剤処理、及びBc1-2過剰発現と比較しながらカスペース活性化の上流反応に対する効果を検討したところ、シトクロムc、Smac/DIABLのミトコンドリアからの放出は3条件とも抑制したが、更に早期のアポトーシス過程であるミトコンドリア膜電位低下やBax構造変化はカスペース阻害剤では抑制されず、バナデート、Bc1-2で抑制された。これらの結果から、MOLT-4放射線誘発アポトーシスの各過程に対するバナデートの抗アポトーシス作用は、Bc1-2過剰発現によって得られる効果によく似ており、カスペース阻害剤とは異なることが示された。ミトコンドリアの上流に位置するアポトーシス過程にバナデートは作用しているものと考えられ、現在、その上流過程の特定を進めている(投稿準備中)。
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