研究課題/領域番号 |
14770515
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山村 憲 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70276260)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 低栄養 / Fischer 344ラット / 加齢 / 日常活動度(ADL) / 認知機能 / 痴呆 / 回転カゴ運動試験 / オペラント型学習行動実験 |
研究概要 |
はじめにラットの生態を調べる必要があり、下記の予備実験を行った。すなわち(1)日常活動度(ADL : avtivities of daily living)の評価として回転カゴ運動試験を用いる際に、ラットに運動能力の個体差・性差・年齢差がないか否か、また(2)回転カゴによる運動に慣れるまでの必要時間の観察、および(3)低栄養状態作成に際し、ラットの1日あたりの摂取カロリー量の検討を行った。 結果(1):回転カゴ付き飼育箱を4個準備し、各々4週齢相当の雄性Fischer 344 ratを1匹づつ飼育し、蛍光灯の点灯・消灯にて12時間毎の昼夜の習慣を作成した。開始25日間の観察では、各々(1)640.9±59.2、(2)489.2±53.4、(3)684.6±37.2、(4)625±35.4回転/日(mean±SEM)で、最小回転数は56、最大回転数は1272回転/日であった。統計学的に(2)の運動量が(3)(P<0.005)(4)(P=0.03)に比して少なかったためラット個体を入れ替える必要が生じた。 結果(2):開始2週間と以後2週間の回転数の比較にて回転カゴによる運動の慣れを検討した。全体としては、591.7±35.4→630.1±33.7回転/日(mean±SEM、p=0.44)で統計学的有意差は認めなかったが、(1)、(4)においては各々507.3±85.4→785.6±60.0、532.7±44.8→727.0±39.2回転/日(ともにp<0.05)と有意に時間経過と共に回転数の上昇を認めた。 結果(3):低栄養作成前にラットの1日カロリー摂取量を液体飼料にて計測した。1日平均飲水量は153.6±10.1ml/日(mean±SEM)であり、1日摂取カロリーは230.4±15.1cal/日であった。この実測1日カロリー摂取量は、教科書および当実験計画書段階での71.6cal/日を大幅に上回る結果であり、低栄養作成に際し有意義となった。 まとめ:同種同性同週齢においても運動量には個体差を認めた。回転カゴによる運動の慣れは、統計学的には開始2週間位の時間を要した。ラット1日平均飲水量は153.6±10.1ml/日で、1日摂取カロリーは230.4±15.1cal/日と教科書記載値(71.6cal/日)より大きく異なる結果であった。 以上の結果を得るまで実験計画書案より大幅な時間を要し、低栄養による運動量の変化、性差による相違などの結果を得るまでには至らなかった。しかし、興味深い予備実験の結果をもとに、継続して実験を遂行する予定である。
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