研究概要 |
1.野生型Interleukin-4 (IL-4)、変異型IL-4(ヒトで公表された変異体を参考にしたマウスでの相同体Dominant negative IL-4 (Q116D/Y116D)、ならびに細胞特異的IL-4 (Shanafelt等 (PNAS,95;9454-9458,1998)により開発された、T cellやマクロファージのレセプターには作用するが,その他の細胞には作用しない変異型IL-4:Q116E)をpcDNA3(mammalian expression vector)にsub-cloningし、作成した発現ベクターをCOS細胞にtrasfectし、培養上清中のIL-4の抗原性をELISA法で確認した。control vectorに比し、それぞれ約30倍程度の増加が観察できた。 2.マウスの血管内皮細胞、腹腔マクロファージ、抹梢血リンパ球を分離培養し、上記の発現ベクターをtransfectし、in vitroでの生物学的効果を下記の方法で有意に変化させることを確認した。内皮細胞:MCP-1、IL-6の発現(ELISA法)、VCAM-1の発現(flowcytometry).マクロファージ:LPS刺激下のINF産生(ELISA法).T cell:増殖能(BrdU uptake).B cell:分化(CD19、CD23発現). 3.マウスに対し各ベクター100-200μgを尾静脈より投与する方法で遺伝子導入を行い、血中のIL-4濃度の上昇をELISA法で確認、遺伝子導入効率、および発現効果に、非常にバラツキがあり、高い導入効率、発現効果を得るため、それぞれを発現するadenovirus vectorを作成した。尾静脈より各々をcodeするadenovirus vector 1x10^9 pfu静注することで安定した遺伝子導入を行うことができた。現在、脾臓より分離したリンパ球のsub setをflowcytometryで解析である。今後はSLEモデルマウスに対しIL-4遺伝子(野生型、変異型)導入を行い、病態への影響の検討を行っていく。
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