研究概要 |
1)マウスBETA2プロモータ領域を含むcDNAを得るために、まずハムスタBETA2cDNAをプローブとしてmouse lambda genomic libraryのスクリーニングを行い、得たマウスBETA2cDNAをプローブとしてマウスの各臓器、および培養細胞のHIT-T15,MIN6より抽出したtotal RNAをNorthen blottingしたところ、HIT-T15,MIN6に加え、マウスの小脳にもBETA2の発現が見られ、BETA2が脳においても何らかの作用をしていることが示唆された。 2)マウスBETA2プロモータ領域のうち、さまざまな長さのルシフェラーゼプロモータプラスミドを作成し、PDX-1,Pax6,Nkx6.1などの転写因子の発現ベクターとともにHepG2およびMIN6細胞にリポフェクション法とリン酸カルシウム法の両方を用いて遺伝子導入し、BETA2プロモータ領域のどの部位に結合し、どう作用しているのかを解明するために、活性の変化などについて検討している。その結果がいくつか出ており、調べた転写因子がBETA2プロモータ領域に結合して活性化に関与していると思われるものについてはゲルシフトアッセイおよびフットプリンティングにより結合を確認している。 3)さらにtwo hybrid systemを用いてBETA2と、MODYの原因遺伝子であるHNF1α、HNF1β、HNF4αとの遺伝子領域での結合の有無、また結合がある場合にはその部位を確かめる事によってインスリンの合成や膵β細胞の発生に関与しているBETA2とMODYとの関わりを究明している。
|