研究課題/領域番号 |
14770606
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
小片 展之 帝京大学, 医学部, 助手 (30328075)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 糖尿病合併症 / フルクトース / ポリオール / マススペクトロメトリー / 尿中フルクトース / 血中フルクトース / グルコース-6リン酸 / フルクトース-6リン酸 |
研究概要 |
近年、我々は高速液体クロマトグラフィ(HPLC)とガスクロマトグラフィ/マススペクトロメトリーによる高精度フルクトース測定法を開発し、血糖コントロール不良の糖尿病患者では血清および尿中フルクトース値が非糖尿病群に比べ著しく増大していることを実証した。 次に、空腹時に比べ食後では血漿フルクトース濃度が血糖値と異なった変動を示すことに着目し、その塘尿病合併症進展に及ぼす影響を検討した。38例の2型糖尿病患者について各食後2時間値により平均食後血漿フルクトース(F)値を算出し、高フルクトース(H)群(F値31.9±6.5μmol/L、n=12)、中フルクトース(M)群(F値21.1±1.8μmol/L、n=13)、低フルクトース(L)群(F値15.2±2.4μmol/L、n=13)に分け、糖尿病合併症有病率を比較した。 H群は増殖性網膜症の有病率が有意に高く(H群66.7%、M群38.5%、L群30.8%、P=0.024)、微量アルブミン尿以上の腎症の有病率も高い傾向であった(H群75.0%、M群23.1%、L群38.5%、P=0.168)。食後血漿フルクトース値の増大が糖尿病合併症の発症、進展に関与していることが強く示唆された。 フルクトースはその代謝的特性によりトリオースリン酸の蓄積を招き、さらに強力なadvanced glycation endproductの生成物質であるメチルグリオキサール(MGO)の増大を誘発する。MGOは酸化作用や細胞に対するアポトーシス作用を持ち、糖尿病合併症の成因を考える上で重要な物質である。 現在我々は、MGOの高精度測定法を確立し、糖尿病患者で血清MGO値の食事前後の変動を検討中である。また、既知のHPLCによるアデノシン三リン酸の定量法を応用し、リン酸化糖の高精度定量法も開発中である。
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