研究概要 |
平成14年度研究項目 1 マウス大腸癌株MC38皮下接種担癌マウスの作成 マウスC57BL/6(♀6〜8週齢)の背部にMC38を皮下接種し、接種する細胞個数をA群3×10^5,B群5×10^5,C群1×10^6,D群3×10^6,E群5×10^5計5群(n=5)に分類。各群のマウスの生存率を検討し担癌末期にいたる期間及び腫瘍径より至適接種細胞数を決定した。 A群、B群とも腫瘍が生着しない場合があり安定した実験系には不適当と判断した。C, D, E群とも腫瘍生着率は100%であったが平均生存期間がC群7.5週間、D群6.8週間、E群4.8週間であった。担癌期間からみればE群5×10^6が最短であった。 また担癌末期の平均腫瘍径はA群,B群,C群ではばらつきが大きく、D, E群では各マウスはほぼ大きさが均等でありいずれの群でも最大径が3cmを超えると死亡する傾向にあった。以上よりMC38 5×10^6個をマウスの背部に皮下接種後5週間経過し、腫瘍最大径が3cmを超えるものを担癌マウスと定義した。 2 樹状細胞(dendritic cell : DC)の誘導法の検討 DCの誘導はマウス下肢骨より骨髄細胞を採取しGM-CSF 100U/ml, IL-4 50U/mlを添加培養し行った。至適培養期間を決定するために培養後3〜10日間連日FACsを用いDCマーカーCD11cの発現を解析した。その結果はCD11cの発現は培養4日目から増加し、6日目に最大に達し8日までほぼ同程度に保たれていた。以上よりDC誘導培養期間は6日間と決定した. 3 担癌マウスDCの形態的特徴の検討 一般に機能的に未熟とされている担癌宿主のDCの形態的特徴をギムザ染色および電子顕微鏡(走査型、透過型)を用いて解析した。その結果担癌マウスDCは健常マウスDCと比較し特徴的な形態変化は認められなかった。
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