研究課題/領域番号 |
14770687
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山本 平 順天堂大学, 医学部, 助手 (70301504)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 糖尿病ラット / 膵移植 / 血管内膜障害 / 動脈グラフト / 静脈グラフト / グラフト動脈硬化 / 膵臓移植 / 灌流固定 |
研究概要 |
糖尿病ラットの同種血管移植、グラフト機能不全モデルを作成し、高血糖がバイパスグラフトの内皮細胞、平滑筋構造をどの程度傷害するか、また同時膵臓移植群を作成し、二群間で組織傷害の程度を検討することを目的とした。Wistar ratにStreptozotocinを投与し作成したI型糖尿病ratでは、開腹手術、大動脈への血管吻合を行う手術侵襲が過度となり、手術後早期に高血糖、利尿による脱水、ケトアシドーシスが問題となり5日間以上の生存が不可能であった。軽症糖尿病モデル(II型)としてGoto-Kakizaki rat用い血管吻合を行ったが、術後早期では非糖尿病ラットと比べて病理学的に有意差を見いだすことができなかった。非糖尿病ラットより採取した膵を酵素により剥離し、遠心分離したのち膵組織を抽出し、同時に腎臓被膜下に移植をおこなったが、血糖コントロールが良好なモデルは完成できなかった。また、膵移植、血管吻合という同時手術は侵襲が大きく1週間以上の生存が得られなかった。今実験では、糖尿病ラットの腹部大動脈への移植グラフト再建ならびに膵移植を同時に行うことは侵襲が大きく、血糖値が改善したモデルの完成はなし得ず、長期生存は困難であった。 そのため、糖尿病ラットを用い腹部大動脈への異所心移植モデルを作成し、慢性期の冠動脈内膜障害を測定する実験を開始し研究発表準備中である。また、低酸素、再酸素化傷害時のラット心機能とギャップ結合蛋白コネキシン43のリン酸化状態の変化について実験を行った。一部のCx43は脱リン酸化しギャップ結合から乖離していくことにより心筋細胞間の連絡が障害されることが明らかになり、Cx43のリン酸化状態の変化は心筋傷害の良い指標となることが明らかになり、第14回日本病態生理学会総会で発表報告した。現在は、これに高血糖の状況が加わると心筋障害が顕著になるか実験を行っている。
|