研究課題/領域番号 |
14770706
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野村 素弘 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (70293363)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | Geldanamycin / glinoma / migration / proliferation / 脳腫瘍 / glioblastoma / geldanamycin / focal adhesion kinase |
研究概要 |
目的:Geldanamycin (GA)は、benzoquinone ansamycinの一種の抗生物質であり、種々の腫瘍の増殖を抑制する。我々はグリオーマ細胞の増殖に対するGAの細胞周期特異的な影響についてin vitroで検討を行った。 方法:血清の除去と添加により細胞周期を同調させた(early G1 or G1/S transition)ヒトグリオーマ細胞T98G細胞を実験に用いた。このグリオーマ細胞にGAを作用させ、増殖と細胞周期の変化を検討した。さらに、細胞内のシグナル伝達に関与するタンパクであるAktおよびmitochondrial apoptotic pathwayに関与するタンパクの発現も検討した。 結果:1、GAをG1/S transition期の細胞に投与すると、細胞は球形の形態を示し、作用後12時間でM期に同調し(M arrest)、M arrestは48時間持続した。2、GAをearly G1期の細胞に投与すると、細胞はG1期にとどまり、SまたはG2/M期への進行を示さなかった。また、ほとんどの細胞は細胞の形態の変化を示さなかった(G1 arrest)。3、sub-G1期の細胞数は、G1/S期にGAを作用させた細胞では、early G1期に作用させた細胞より有為に多かった。4、GA作用後のPhosphorylated Aktの発現の減少は、early G1またはG1/S transition群でそれぞれ、48、24時間後より認められた。5、caspase-9,3 and 7のcleavageは、early G1、G1/S transitiongroupsでそれぞれ36、24時間後より認められた。PARPの減少とcleaved PARPの発現もearly G1 groupにて遅れて認められた。 結論:GAは、グリオーマ細胞において細胞周期特異的な増殖抑制効果を示した。これらの効果は、mitochondrial apoptotic pathwayを介しており、GA-induced apoptosisはAkt活性の減少によるものと考えられた。
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