研究課題/領域番号 |
14770709
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中原 紀元 名古屋大学, 医学部, 助手 (20335061)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 樹状細胞 / インターフェロンβ / グリオーマ / 正電荷リポソーム / Tリンパ球 / 遺伝子治療 / 免疫細胞療法 / T細胞 |
研究概要 |
樹状細胞と、同系マウスの脾臓より採取・分離されたT細胞とを同系マウスグリオーマ細胞株203G細胞と24穴プレート上で共培養するシステムを確立し、In vitroでの抗腫瘍免疫の誘導を観察した。インターフェロンβ遺伝子は、正電荷リポソームによりあらかじめグリオーマ細胞遺伝子導入されることにより、樹状細胞とT細胞の存在下で効果的に細胞性免疫を誘導することがインターフェロンγおよびIL-12に対するELISA assayおよびクロム放出法による細胞傷害性試験の結果証明することができた。203G細胞を用いた皮下腫瘍モデルを作成した後、インターフェロンβ遺伝子等で腫瘍を治療した後に骨髄から誘導された樹状細胞を腫瘍内へ移植することにより有意な腫瘍増殖抑制効果を認めた。 続いてC57BL6マウス由来のGL261マウスグリオーマ細胞株を用いた脳腫瘍モデルを作成した。脳腫瘍に正電荷リポソームを用いてインターフェロンβ遺伝子を導入し、マウス骨髄から、未熟樹状細胞を誘導し、GL261細胞を破砕したライセートを抗原としてパルスした後マウスの頚部皮膚に接種した併用治療の結果、他のコントロール治療群と比較して統計学的に有意な生存の延長を認め、腫瘍体積も著明な腫瘍の増殖抑制効果を示した。免疫組織染色の結果は、併用治療群ではCD8+のリンパ球が他の治療群と比べ著明に浸潤していることが確認された。この研究から樹状細胞ワクチンの併用によりインターフェロンβ遺伝子を用いた免疫遺伝子治療はより強力な治療法になると考えられた。 またインターフェロンβ遺伝子を導入されたグリオーマ細胞は、IP-10などのケモカインの発現を誘導し、腫瘍局所へのTリンパ球の誘導に一役を担っているものと考えられた。
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