研究課題/領域番号 |
14770718
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
高見 俊宏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305626)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 細胞移植 / シュワン細胞 / 機能回復 |
研究概要 |
【研究設定】末梢神経から分離培養したシュワン細胞移植による脊髄修復の可能性について検討した。成体ラットを用い、下位胸椎レベルに急性圧迫脊髄損傷を作成した。損傷作成においては、定位固定装置および微量可動式圧迫装置を使用して、損傷強度の安定化および再現性を図った。移植する培養シュワン細胞は、同じく成体ラットの坐骨神経から純粋培養を行い準備した。損傷1週間後に定位微量注入法にて細胞移植を行い、合計12週の生存期間を設定した。機能検査として下肢運動機能検査、PETによる局所循環およびエネルギー代謝測定および脳磁図測定装置による感覚機能定量検査を予定した。組織解析方法は、損傷範囲の3次元定量解析、微細形態観察および神経トレーサー法とした。【研究成果】損傷12週後には、脊髄損傷中央部の空洞形成およびその周囲の陳旧性瘢痕形成が認められた。シュワン細胞移植群では、損傷範囲の3次元的広がりが抑制される傾向にあった。さらにシュワン細胞移植群においては、微細形態観察にて良好な末梢性髄鞘形成が観察され、神経トレーサー解析においても神経軸策誘導効果が経められた。皮質脊髄路は、基本的には損傷近位部において途絶し典型的軸索損傷形態を示したが、シュワン細胞移植群においては、皮質脊髄路の損傷中央部に向かう軸索伸展像が観察された。下肢運動機能検査では、シュワン細胞移植群で僅かに有意な機能回復が観察された。脊髄局所循環およびエネルギー代謝測定では、損傷脊髄の可視化が可能であったが、低解像度のため定量評価は困難であった。感覚機能定量検査では、坐骨神経の刺激強度および測定感度の調節、さらには磁気シールドの改良を行い至適測定条件の設定を行った。坐骨神経への微小電極による安定刺激が可能となり微弱誘発磁場が測定されたが、定量評価は困難であった。これらの脊髄機能測定を今後の重要課題と位置づけ、現在までに再検討を開始している。
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