研究課題/領域番号 |
14770728
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 (2003) 東京工業大学 (2002) |
研究代表者 |
片岡 浩介 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20262074)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 酸化ストレス / Maf / 転写制御因子 / インスリン / グルカゴン / 膵島細胞 / リウマチ性関節炎 / グルコース |
研究概要 |
昨年度までに、抗リウマチ作用を持つ金(Au)を含む化合物が、細胞の酸化ストレス感知システムの重要な一部をなすbZip型転写因子Nrf2/Small Mafを活性化することにより、ヘムオキシゲナーゼなどの一群の抗酸化ストレス遺伝子群を発現誘導することをあきらかにしてきた。また、昨年度は、細胞に酸化的なストレスを与えると言われているグルコースによって、やはりbZip転写因子に属するMaf関連タンパク質のメンバーであるMafAの活性が制御を受けていることをあらたに見い出し、本年度はこの活性制御メカニズムや意義を追究した。 MafAは新規に発見したMafファミリー因子のひとつで、膵臓のβ細胞に非常に限局して発現しており、インスリン遺伝子の細胞特異的・血糖(グルコース濃度)依存的な転写制御において中心的な役割を果たす転写因子であることがわかった。また、別のMafファミリー因子c-Mafが膵臓のα細胞に限局して発現しており、グルカゴン遺伝子の細胞特異的な転写制御を行っていることを見いだした。すなわち、Mafファミリーに属する転写因子群が膵臓の内分泌細胞の細胞種特異的に発現していて、それぞれの細胞の特化した機能の維持を担っていることをあきらかにすることができた。 また、MafAおよびc-Mafによるインスリンおよびグルカゴン遺伝子の転写制御機構を詳細に解析するなかで、これらの遺伝子の発現調節に関わる転写因子Islet-1の新しいsplicing variantを見いだし、その性質を調べた。このvariant(Islet-1β)は膵島β細胞に発現していて、これまでに知られていたIslet-1(Islet-1α)と異なりリン酸化を受けず、より強い転写活性化能を持つことがわかった。
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