磨耗粉による人工関節周囲骨溶解の治療の試み

• 研究課題/領域番号: 14770736
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 整形外科学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 中島 康晴 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (10304784)
• 研究期間 (年度): 2002 – 2004
• 研究課題ステータス: 完了 (2004年度)
• 配分額: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円); 2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円); 2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円); 2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
• キーワード: 人工関節 / 骨吸収 / osteolysis / ビスフォスフォネート / 摩耗粉 / 骨溶解 / マクロファージ

研究概要

人工関節周囲の骨溶解の原因として人工関節から排出される摩耗粉に対する異物反応が上げられ、一旦発生すると多くは進行性で人工関節の弛みにつながり、再置換術が余儀なくされる。現在まで再置換術以外にはその治療法は存在しなかったが、本研究は骨吸収抑制又は異物反応を抑制する薬剤を用いてその治療法を確立するのが目的である。
現在基礎的研究として骨粗鬆症の治療薬であるビスフォスフォネート製剤を使用してマウス頭蓋冠を用いた骨溶解モデルでその抑制効果を検討している。現在までの結果では対照群に比較してビスフォスフォネート使用群では有意に骨吸収が抑制され、その有効性が確認されている。その成果は現在投稿準備中である。
また臨床的研究として人工股関節を施行した症例のうち、骨溶解症例に対するビスフォスフォネート製剤の有効性を検討する臨床研究をすでに開始している。この臨床研究は多施設(旭川医科大学、北海道記念病院、山形済生会病院、東京女子医大、東京厚生年金病院、九州大学、大分医科大学)で行っており、前向き研究でその有効性に期待される。

研究成果

• [雑誌論文] Human serum opsonization of orthopedic biomaterial particles : protein-binding and monocyte/macrophage activation in vitro. (2003)
  • 著者名/発表者名: Sun DH, Trindade MC, Nakashima Y, et al.
  • 雑誌名: J Biomed Mater Res 65-A(2) ページ: 290-298
• [雑誌論文] Correlation between center-edge angle and acetabulum-head index in developmental dysplasia of the hip with avascular necrosis of the femoral head (2003)
  • 著者名/発表者名: Taketa M, Fujii T, Kubota H, Nakashima Y, et al.
  • 雑誌名: J Pediatr Orthop 12(3) ページ: 215-218
• [文献書誌] Sun DH, Trindade MC, Nakashima Y, et al.: "Human serum opsonization of orthopedic biomaterial particles : protein-binding and monocyte/macrophage activation in vitro."J Biomed Mater Res. 65-A(2). 290-298 (2003)
• [文献書誌] Taketa M, Fujii T, Kubota H, Nakashima Y, et al.: "Correlation between center-edge angle and acetabulum-head index in developmental dysplasia of the hip with avascular necrosis of the femoral head"J Pediatr Orthop. 12(3). 215-218 (2003)