研究概要 |
術後合併症としてのシバリングに対し,星状神経節ブロックによる交感神経の遮断が与える影響を日本白色家兎を用いて検討した。 白色家兎を対照群と星状神経節ブロック施行群(以下SGB群)の2群に分け,それぞれ酸素・イソフルレン麻酔下に気管内挿管を施し,自発呼吸にて管理した。SGB群は右頸部より1%リドカインにてSGBを施行した。SGBの効果は左右の上肢温の差で判定した。大腿動脈より観血的動脈圧をモニターし,食道・耳介・左右上肢の各所で体温を測定した。直腸内に挿入したサーモードより,体温を39℃から徐々に低下させ,シバリングの発生を観察した。また,血圧・心拍・呼吸数・呼気終末二酸化炭素分圧を測定し,血液ガス分析を行った。イソフルレンは0.2MACとなるように調節した。 SGB群(N=6)と対照群(N=6)とで冷却前の体重,心拍,各部体温,呼吸数,呼気イソフルレン濃度に有為差はなかった。両群とも冷却に伴い体温は低下し,シバリングが発生した。シバリング発生時の体重,心拍,各部体温,呼吸数,呼気イソフルレン濃度に有為差はなかった。ただし,食道温はSGB群が35.25℃,対照群36.33℃と平均で1℃以上の低下傾向にあり,今後実験例を増やしていくことで手法の安定化を行い,バイアスを減らすことで有為差を見いだすことが出来ると思われる。引き続き検討を重ねていく。
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