研究課題/領域番号 |
14770905
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
羽藤 直人 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60284410)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | ベル麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / 顔面神経麻痺 / 再活性化 / マウス / 膝神経節 |
研究概要 |
申請者はこれまでの研究で、単純ヘルペス1型(HSV-1)潜伏感染マウスに対し、免疫抑制剤や局所刺激の再活性化刺激を加え、再活性化による顔面神経麻痺を発症するマウスモデルの作製に成功している。本モデルはHSV-1の再活性化により一過性の一側性麻痺を生じ、ベル麻痺に類似したモデルと考えられた。この麻痺モデルに対し分子生物学的検討を行った結果、HSV-1の再活性化は必ずしも顔面神経麻痺には至らず、顔面神経麻痺を生じるためには再活性化したHSV-1が増殖し、相当数の運動神経を障害する必要があると考えられた。また、real time PCR法を用いウイルスゲノムの動態解析も行った。膝神経節を含む側頭骨内顔面神経と、神経終末組織として顎下腺、角膜、耳介皮膚を採取し、real time PCR法にてHSV-1 DNAの出現部位を経時的に検討した。結果、膝神経節からHSV-1の再活性化が認められたマウスの多くでは、刺激側の顎下腺または耳介皮膚からもHSV-1 DNAの検出が可能であった。また、これらの結果からベル麻痺患者においても、早期病因診断部位として耳介皮膚が有用と考えられたため、同部位を検体としてHSV-1 DNAの検出を試みた。結果、患者耳介皮膚より80% (8/10)と高率にウイルスが検出され、新たな病因診断法として意義深いと考える。また、再活性化モデルの病理組織学的、免疫組織学的検討の結果、実際に側頭骨内顔面神経を病理組織学的に検討し、膝神経節の神経細胞内にHSV-1の増殖と運動神経の髄鞘脱落を確認した。このことは再活性化したHSV-1により側頭骨内顔面神経が障害され麻痺が発症していることの強い裏づけになると考えられ、ベル麻痺の病態としても同様の機序が推測された。
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