研究課題/領域番号 |
14770913
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 元彦 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (50326138)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 花粉症 / T細胞クローン / T細胞エピトープ / スギ / ヒノキ / ペプチド療法 / Cry j1 / Cha o1 / Cry j 1 / Cha o 1 |
研究概要 |
花粉症特異的メモリ-T細胞の生存、延長機構の解明を目的に、T細胞クローンのエピトープについての解析を施行した。具体的には、ヒトのスギ、ヒノキ花粉症特異的T細胞クローンST12の樹立に成功し、解析を加えた。T細胞クローンST12は、CD3^+、CD4^+、CD8^-、TCRα/β^+で、スギ主要アレルゲンCry j1とヒノキ主要アレルゲンCha o1に反応を示した。Cry j1もしくはCha o1の刺激により、ST12はインターロイキン4を産生したが、インターフェロンγは産生されなかった。従って、ST12はTh2タイプと考えられた。このドナーのHLA class II genotypeがDRB1^*0405/0409、DQA1^*0302、DQB1^*0301であることを確認した。Cha o1オーバーラッピングペプチドを作製し、ST12が認識するT細胞エピトープの解析をおこなった。ST12はGHSDIYSDDKSMKVTV(202-217のアミノ酸配列)に反応を示した。Cry j1についても同様に行い、GHDDAYSDDKSMKVTV(202-217のアミノ酸配列)、に反応することが確認された。次に、GHSDIYSDDKSMKVTVのaltered peptideを作製し、アンカー部位について調べたが、K214、V215、T216が反応において重要なペプチド(アンカー)であることが示唆された。さらに、これらのアンカーがT細胞サイトのアンカーであるか、APC(抗原提示細胞、MHC)サイトのアンカーであるか、FACScanを用いて調べた。その結果、^<216>TはAPCサイトのアンカーであることが判明した。 又興味深いことに、ST12はブタクサ花粉やバナナのPectate lyaseとも反応を示した(ブタクサ花粉は花粉症を引き起こす重要なアレルゲンである)。ブタクサ花粉やバナナのPectate lyase刺激に対してST12はインターロイキン4を産生、ST12自身の細胞生存延長効果を示した。 これらの研究成果は、花粉症に対する将来のペプチド治療に応用できるものと思われる。
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