研究課題/領域番号 |
14770940
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
長岡 泰司 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00333691)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 網膜循環 / レーザードップラー血流計 / 一酸化窒素 / 血管内皮機能 / 自己調節機構 / 糖尿病網膜症 / シェアストレス / 黄斑浮腫 / 血管 |
研究概要 |
平成14から15年度にかけ、キャノン(株)と共同開発したレーザードップラー眼底血流計を用い、網膜循環動態の解明を目的として以下の基礎および臨床研究を行った。 1)ネコを用いた基礎実験 血流を増加させる因子である低酸素、高二酸化炭素負荷時の網膜循環調節のメカニズム解明のため、重要な血管拡張因子である一酸化窒素(NO)に着目し、NO合成酵素阻害剤をネコの硝子体に前投与すると、網膜血流増加反応はいずれの負荷においても明らかに抑制され、これらの網膜血流増加反応にNOが重要な働きをしていることを初めて明らかにした。さらに網膜血管径と血流速度の同時測定によりシェアストレス(ずり応力)の指標であるずり速度が算出でき、血管内皮機能において重要な血流増加反応を評価できることを示した(論文4および5) 2)臨床研究 1)健常人を対象にして寒冷刺激による血圧の一過性上昇に対して網膜細動脈の収縮により血流が保たれていることを示し網膜自己調節機構のメカニズムを解明した(論文6)。 2)血液透析患者では透析により全身循環が大きく変動するが、透析による全身循環の変動により網膜循環動態は変動することを明らかにした(論文1)。 3)糖尿病患者では視機能に重要な影響を与える黄斑部の脈絡膜血流が網膜症発症前からすでに低下し、黄斑浮腫を生じるとさらに低下することを明らかにした。これより現在糖尿病患者の視力障害の主因である黄斑浮腫に循環障害が関与している可能性が示唆された(論文2)。 4)健常人を対象に、眼球を加熱したさいの眼循環動態について検討し、眼球加熱により網膜血流は増加するが、黄斑部の脈絡膜血流は反対に減少することを明らかにした(論文3)。
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