研究課題/領域番号 |
14770958
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
田村 直之 岡山大, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (60335601)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | free radical / catalase / NO-donor / H2O2 / 大脳皮質初代培養 / 緑内障 / 神経細胞死 / 大脳皮質神経細胞 / 初代培養系 / カタラーゼ / アカタラセミア・マウス / H_2O_2 |
研究概要 |
緑内障では、free radicalが何らかの形で細胞障害を与え、網膜神経節細胞死を誘導すると考えられる。一方で、catalaseやsuperoxide dismutase等のscavenging enzymeが、病態にどう関わるかについても不明な点が多い。本研究では、free radicalとscavenging enzymeが、中枢神経細胞死の培養モデル実験でどのような役割を果たすのかを明らかにする。 acatalasemiaマウスの大脳皮質神経細胞を初代培養し、H_2O_2及び、NO-donorであるNOC-5で細胞死を誘導してfree radicalの細胞死誘導活性の測定と、中枢神経におけるcatalaseの役割について明らかにした。H_2O_2、NOC-5を種々の濃度で添加したところ、H_2O_2では、0.05-1.0%の濃度で、NOC-5では30-60□Mの濃度でacatalasemia由来の大脳皮質神経細胞の生存率が対照群に比較して有意に低かった。また、acatalasemia由来細胞の培養液中に、これらfree radicalとcatalaseを濃度で同時に添加すると、生存率を対照群と同程度にまで上昇させた。これらの結果から、catalaseがfree radicalによる中枢神経細胞死を減弱させることが判明した。さらに、抗カタラーゼ抗体により、マウス大脳切片と、大脳皮質初代培養を染色すると、細胞体が強く染色され、神経突起も一部陽性に染色された。従って、catalaseは、大脳皮質神経細胞内に存在し、free radicalによる細胞障害性を減弱させる活性を持つと考えられる。本研究で、中枢神経系において、細胞内catalaseが、free radicalが励起する神経細胞死からの生存促進に働くことが判明したことで、神経細胞死防御に効果のある新しい薬剤の探索戦略に大きな情報をもたらした。
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