研究課題/領域番号 |
14770981
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | (財)田附興風会 |
研究代表者 |
本田 茂 田附興風会, 医学研究所・第4研究部, 研究員 (60283892)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 非酵素的糖化後期生成物 / 網膜色素上皮細胞 / 老化 / 酸化ストレス / マイクロアレイ / アポトーシス / DNA損傷 / スロットブロット / Advanced glycation endproduct / DNA修復 |
研究概要 |
本年度はまず前年度に引き続き、網膜色素上皮細胞(RPE)における非酵素的糖化後期生成物(AGE)による遺伝子発現変化を検討した。マイクロアレイでは検索した遺伝子数の約20%が発現変化を認めた。中でもTNF-α、TGF-β、FAS抗原、Caspase 8などアポトーシスを誘導する遺伝子の発現が上昇する一方でBc1-2やHSP70などアポトーシスを抑制する遺伝子の発現低下がみられ、全体としてアポトーシスの実行へ向けた流れが特徴的であった。これは、実際にアポトーシスの発生を確認した前年度の結果からも裏付けられる。また、PDGF-BやCTGFなど糖尿病網膜症の発生に関与しているとされる遺伝子の発現が上昇していることから加齢性黄斑変性症の発生病態(例えば新生血管の発生など)に糖尿病網膜症と共通するメカニズムが存在する可能性が示唆された。 酸化ストレスとAGEの関係についてはAGE負荷をしたRPEを抗酸化物質のアスコルビン酸を添加して培養すると細胞のviabilityや分裂寿命が延長することからAGEが酸化ストレスを介して細胞に影響を与えていることが伺われた。最近の報告でもAGEの作用に酸化ストレスが介在する可能性が指摘されており、今回はその結果を追認する形となった。 D-ガラクトースを数週間腹腔内注射して作成するAGE誘発マウスに関しては過去の報告に基づいた予備実験を行った所、処置後の眼内組織検索にてブルッフ膜にAGEらしき沈着物を認めるもののコントロール群との間に有意差を検出することができなかった。現在、さらに適当な生体モデルの開発を研究中である。
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