研究課題/領域番号 |
14771002
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
辻 岳人 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (90314682)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | Evc / Ellis-van Creveld症候群 / 軟骨細胞 / Ellis-van Creveld |
研究概要 |
昨年度の研究によりEvc遺伝子の前肥大軟骨細胞における強い発現が確認され、Evc遺伝子が軟骨細胞の分化に関与することが推測された。本年度においては、さらに軟骨細胞における機能的役割を明らかにすることを目的として解析をおこなった。まず、未分化軟骨細胞株であるATDC5にEvc遺伝子を安定的に過剰発現させる細胞を樹立し、その細胞の変化について解析することを試みた。単離した大半の細胞は増殖活性が非常に悪く、解析するまでの細胞数には至らなかった。最終的に過剰な発現が認められたのは1系統のみであった。通常、分化誘導培地でATDC5を培養しなければ軟骨細胞へ分化しないが、この細胞系統は非分化誘導培地にもかかわらず細胞凝集を形成しながら増殖した。また細胞の形態も繊維芽細胞様から丸みを帯びた軟骨細胞様に変化していた。これらの結果から、Evc遺伝子の過剰発現により軟骨細胞への分化が誘導されている可能性が考えられた。 近年、Ellis-van Creveld症候群の原因遺伝子として本研究で取り上げたEvc遺伝子だけでなく、新たにLim-bin(Lbn)遺伝子が原因遺伝子であることが明らかにされた。さらに、両遺伝子は染色体上の位置が近接していることから、機能的になんらかの関連性が推測されることから、各組織における発現パターンについて解析を行った。各週齢のラット脛骨骨端および4週齢の肝臓、脳、肺、心臓、腎臓、骨格筋について半定量的RT-PCRによりEvcとLbn遺伝子の発現パターンを解析した。その結果、両遺伝子とも、すべての組織で類似した発現パターンを示した。これらの結果は、両遺伝子の関連性をさらに示唆する結果であり、軟骨細胞においても機能的な関連性があるものと考えられた。 本研究により、Evc遺伝子が軟骨細胞の分化誘導に関与すること、またその作用はLbn遺伝子と関連性が推測され、軟骨細胞分化の制御機構でのEvc遺伝子の重要性が初めて示された。
|