研究課題/領域番号 |
14771020
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平賀 徹 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (70322170)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 乳癌 / 骨転移 / カドヘリン-11 |
研究概要 |
本研究では、癌細胞におけるカドヘリン-11(Cad-11)の発現と骨転移との関連を解明することを目的に、昨年度までにCad-11を過剰発現する細胞株(293T/Cad-11)を樹立し、同株では浸潤能、及び破骨細胞形成能が亢進していることを明らかにした。これらの結果を踏まえ、本年度は以下の検討を行った。 1.293T/Cad-11の骨転移形成能の検討 マウス骨転移実験モデルを用いた検討の結果、293T/Cad-11は親株細胞と比較して、細胞移植後初期(48時間後)の骨髄内での定着細胞数の有意な増加を認めた。細胞移植4-5週後の検討では、293T/Cad-11では骨転移形成数、及び腫瘍面積の有意な増加を認めた。さらに、昨年度得られたin vitroの実験結果と一致して、骨転移巣における破骨細胞数の有意な増加を認めた。 2.変異型Cad-11過剰発現細胞株の樹立と骨転移形成能の検討 293T/Cad-11株に、Cad-11に対しドミナントネガティブ的に作用する変異型Cad-11をさらに強制発現させた細胞株を樹立し、骨転移形成能を検討した。その結果、実験1で見られた骨転移の亢進が、変異型Cad-11の導入により抑制されることが示された。 3.乳癌細胞における野生型、及び変異型Cad-11の過剰発現の骨転移形成に対する作用 1,2の結果をさらに検証するために、同様の実験を、既にCad-11の発現と癌の悪性度との関連が報告され、また、骨に高頻度に転移することでも知られる乳癌細胞を用い、行った。その結果、乳癌細胞においても293T/Cad-11同様の結果が得られた。 以上、本研究結果から、癌細胞におけるCad-11の発現は、骨芽細胞/骨髄間質細胞の発現するCad-11との接着を介した(1)骨転移形成、(2)浸潤能、及び(3)破骨細胞形成の亢進により骨転移の形成、進展に重要な役割を果たすことが示唆された。
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