研究課題/領域番号 |
14771021
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
西田 崇 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30322233)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 結合組織成長因子(CTGF) / 内軟骨性骨化 / 器官培養系 / 血管内皮細胞成長因子(VEGF) / CTGF欠損マウス / マウス軟骨組織 / 軟骨細胞 / 骨髄間質細胞 / 軟骨細胞分化 / マウス尾椎 |
研究概要 |
(1)生後3週齢のマウスの肋軟骨組織を採取し器官培養した。この培養系に3日間CTGFを添加した後、肋軟骨組織からtotal RNAを抽出した。軟骨組織の分化マーカーであるaggrecan, type X collagenの発現をreal-time PCR法を用いて調べると、CTGF添加群では両マーカーとも発現量の増加が見られた。このことは器官培養系においてもCTGFによって内軟骨性骨化が促進されることを示唆している。 (2)最近、Ctgf欠損マウスの表現型が報告された。この報告ではCtgf欠損マウスは生後すぐに内軟骨性骨化の骨化不全で十分呼吸ができず死亡してしまうというものであった。実際、Ctgf欠損マウスを組織学的に調べてみると、血管侵入に重要なVEGFの発現量の減少と肥大軟骨細胞層の増加が見られた。Ctgf欠損マウスは出生直後に死亡してしまうため、Ctgfヘテロ欠損マウスの肋軟骨組織を用いて器官培養を行うと、正常マウスと比較してヘテロマウスではtype X collagenの発現量が増加していた。一方でVEGF発現は正常マウスとヘテロマウスで発現量の差は認めなかったが、ヘテロマウスの肋軟骨組織の器官培養系にCTGFを添加すると著明にVEGF発現レベルが上昇した。また、この現象は組織の免疫染色においても確認された。 (3)正常マウス及びCtgf欠損マウスの出生直後の尾椎軟骨組織を用いてCTGF及びVEGFの局在を免疫染色で調べた。その結果、正常マウスではVEGFは肥大軟骨細胞層に局在し、CTGFはその周辺を取り囲むように局在した。一方、Ctgf欠損マウスではVEGFの局在が肥大軟骨細胞層にはほとんど認められなかった。 (4)Ctgf欠損マウスから細胞を分離培養した後、CTGFを添加してVEGF発現レベルをreal-time PCRで調べた。その結果、CTGF欠損マウス由来の細胞ではCTGF添加によってVEGF発現レベルが上昇した。 器官培養系及びCtgf欠損マウスを用いたin vivoの実験系から得られた結果はCTGFが内軟骨性骨化を促進する中心的な成長因子の一つであることを明らかにしている。また、そのメカニズムの一つはCTGFが骨側から軟骨側への血管侵入に重要な役割を果たすVEGFの発現レベルを制御することによって行われていることが示唆された。
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