研究課題/領域番号 |
14771051
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小野寺 大 東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (80312594)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 歯髄血流 / 反射性血管拡張 / 神経原性炎症 / レーザードプラー血流計 |
研究概要 |
歯髄は神経線維に富む組織であり、歯髄の痛みは遠隔部位に関連痛や放散痛を引き起こすことから、歯痛が周囲組織あるいは遠隔組織に何らかの影響を及ぼすことは明らかである。我々の研究グループは、歯痛が周囲組織に及ぼす影響について、血流を指標として研究をすすめ、歯痛は周囲組織あるいは遠隔組織の血管拡張を引き起こすことを見いだし、動物実験において逆伝導性血管拡張、副交感神経性血管拡張の2つの機構を明らかにした。 しかしながら、これらの血管拡張のメカニズムがヒトにおいて存在するかどうかは明らかになっていない。国内外の研究で、動物実験において血流動態を観察した報告は多数みられるが、ヒトにおいて実証した報告は極めて少なく、わずかにKempainen (2000)が歯の電気刺激による周囲歯肉の血流増加について報告しているものの、このメカニズムが臨床的にどのような意義をもつかについては言及されていない。 そこで本研究では、ヒトにおける反射性血管拡張の存在を確認し、臨床的意義として炎症反応との関わりについて検索する。なぜなら、この種の反射性血管拡張は同時に、血管透過性を亢進し、神経原性炎症(neurogenic inflammation)を引き起こすことが動物の皮膚で証明されているからである(Jancso,1967)。 これまで我々は、歯髄血流を効率よく測定するための新しいレーザー血流計を開発した。これは、従来のレーザードプラー血流計で歯髄の血流を測定しようとした場合に、歯髄以外の歯周組織の血流を検出してしまう危険性が指摘されていたためである。新型のレーザー血流計では、送光ファイバと受光ファイバを分割することにより歯髄の血流のみを検出することが可能となった。 現在までに、ビーグル犬を対象とした動物実験において、エナメル質表面、エナメル-象牙境部に電気刺激を行うことにより軸策反射性血管拡張が惹起され血流が上昇することが確認された。 現在、健常ボランティアを対象として口腔内に電気的・化学的な痛み刺激を与え、歯髄における反射性血管拡張の有無について検討中である。
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