研究課題/領域番号 |
14771057
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
松田 哲朗 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00337031)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 接着機能性分子 / 金属接着 / 多分子層 / 接着機能性モノマー |
研究概要 |
従来金属表面を接着機能性分子で処理する場合には、それらの分子を金属表面に化学吸着させて単分子層を形成させることが、レジンとの接着に有利であるという考え方が主流であった。現在までに報告されている接着強さを調べた研究では、金属表面を接着機能性分子で処理した後、十分な量の溶媒を用いて洗浄し、非特異的に吸着している余剰の分子を除去している。 しかし、今回の研究により金属と強い相互作用を有する接着機能性分子の場合、必ずしも化学吸着した分子のみならず、金属と化合物を生成して形成した多分子層に含まれる分子も、レジンとの接着に重要な役割を果たすことを明らかにした。以下今回の研究結果を下記にまとめる。 (1)0.1mM接着機能性分子溶液中では、純Au試料の表面に接着機能性分子の単分子層が速やかに形成した。しかし、浸漬時間を長くしてもこれらの分子が多分子層を形成することはなかった。 (2)(1)と同様の溶液中で純Cu試料を用いた場合はその表面に接着機能性分子とCuの化合物から構成される多分子層が形成された。これらの多分子層は、浸漬時間の増大と共に成長し、厚くなった。 (3)純Au試料に化学吸着した接着機能性分子は、単分子層ではレジンとの接着に効果的ではなく、耐水性に優れた接着界面を形成することはできなかった。 (4)純Cu表面に形成した接着機能性分子の多分子層は、レジンとの接着に有効に働き、耐水性の高い接着界面の構築に効果的であった。 (5)接着に用いるMMA-PMMA/TBBO系レジンの粉液比(g/ml)は、金属試料とPMMA板の接着に影響を与えた。粉液比が小さいほど接着に有効であった(0.09と0.14で比較)。 (6)金属表面に化学吸着した接着機能性分子がレジンと共重合するためには、2重結合を有するモノマー(接着機能性分子を含む)が金属表面に高い密度で存在することが重要である。
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