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ラットの実験的根尖病変における骨吸収と形式について

研究課題

研究課題/領域番号 14771069
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 保存治療系歯学
研究機関愛知学院大学

研究代表者

今泉 一郎  愛知学院大学, 歯学部, 助手 (20308779)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード根尖病変 / TRAP / ALP / 病理組織学 / IL-1 / TNF-α / LFA-1 / ICAM-1
研究概要

平成15年度
実験動物には、生後8週齢のウイスター系雄性ラットを用いた。動物は、エーテル麻酔下にて、下顎左側第一臼歯をラウンドバーにて露髄後、そのまま放置し、歯髄炎および根尖性歯周組織炎を惹起させた。作製した切片は、HE染色と抗ラットIL-1α、IL-1β、TNF-α、LFA-1、ICAM-1抗体を用いた免疫染色を行った。一次抗体として抗ラットIL-1α、IL-1β、TNF-α、LFA-1、ICAM-1抗体を使用し、ABC(Avidin-Biotin-peroxidase Complex)法にて免疫染色を行った。
その結果、対照群の歯髄および根尖部歯周組織にはIL-1αβ、TNF-α、LFA-1の発現は認められなかった。また、ICAM-1の発現は一部の血管内皮細胞に認められた。露髄後7日、14日では、歯髄組織には好中球およびマクロファージが多数認められた。多数の好中球およびマクロファージからIL-1αβ、TNF-αの産生が認められた。根尖部歯槽骨においては、TRAP陽性の破骨細胞は露髄後3日に比較して多数認められ、ALP陽性の骨芽細胞が配列を乱し骨面から離脱したものが認められた。また、根尖部歯槽骨表面にあるTRAP陽性の破骨細胞はIL-1α、TNF-α陽性であった。また、歯根膜細胞は組織学的にALP陰性を示していた。さらに骨吸収部位に近接して、多数のLFA-1陽性の単核円形細胞が観察されるとともにICAM-1の発現が血管内皮細胞、単核紡錘形細胞、単核円形細胞および一部の破骨細胞に認められた。露髄後28日では、歯髄は全体的に壊死に陥り、根尖部には膿瘍が存在し、根尖部歯根膜組織の炎症性細胞浸潤は露髄後14日よりも強くなっていた。好中球およびマクロファージは膿瘍周囲に多数存在し、IL-1α、TNF-αを産生していた。根尖部歯槽骨においては、TRAP陽性の破骨細胞は露髄後14日とほぼ同様で多数認められIL-1α、TNF-α陽性であった。また、歯槽骨の形成の活発な部位ではALP陽性の歯根膜細胞や骨芽細胞が認められた。さらに露髄後14日とほぼ同様に骨吸収の活発な部位において多数のLFA-1陽性の単核円形細胞が観察されるとともにICAM-1の発現が血管内皮細胞、単核紡錘形細胞、単核円形細胞および一部の破骨細胞に認められた。
従って、根尖病変の形成過程においてマクロファージおよび好中球の産生する炎症性サイトカインとLFA-1およびICAM-1の発現による細胞間相互作用が破骨細胞性骨吸収や骨芽細胞による骨形成の活性化に関与している可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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