研究課題/領域番号 |
14771070
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
保存治療系歯学
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 一吉 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (80281468)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 微生物迅速検査装置 / bioplorer / 菌数の測定 / Porphyromonas endodontalis / 黒色色素産生菌 |
研究概要 |
はじめに 根管治療において、根管内の無菌化をはかるためにさまざまな根管消毒剤が用いられている。近年、この根管消毒剤として水酸化カルシウムが注目され、臨床での使用頻度が高くなってきている。そこで本研究では水酸化カルシウムの殺菌効果について根尖性歯周炎の原因菌のひとつとされている、Porphyromonas endodontalisを用いて検討を行った。 昨年度までの本研究において、P.endodontalisの菌数測定に、生菌数の即時的な測定が可能である微生物迅速検査装置(bioplorer FJ-VKH01 Panasonic製)が有効であることが明らかになっている。しかし、水酸化カルシウム粉末をペースト状にしたものを細菌に作用させたとき、本装置を用いての生菌数の測定は困難であることが判明した。 これをふまえ、本年度は、水酸化カルシウムの飽和水溶液を用いて、水酸化カルシウムの即時的な殺菌効果の測定ができるか否かの検討を行い、水酸化カルシウムのP.endodontalisに対する経時的な殺菌効果の検討を行った。 細菌の培養および試料の調整 今回の実験には、P.endodontalisの標準株であるATCC35406株を用いた。 水酸化カルシウム飽和水溶液の殺菌効果の検討 水酸化カルシウムの飽和水溶液をP.endodontalisに作用させ、作用前と作用後15分、30分、45分、60分の生菌数を微生物迅速検査装置にて測定、このデーターをコンピューターで専用ソフトを用い解析、1.0ml中の生菌数を算出した。 結果および考察 P.endodontalisに対する水酸化カルシウム飽和水溶液の殺菌効果の検討を微生物迅速検査装置を用いて行った結果、水酸化カルシウム飽和水溶液作用15分後の生菌数は約68%、60分後には約16%(未作用群は77%の生菌数)に減少する殺菌効果が認められた。しかし、本装置は試料を特殊なフィルターを通して濾過をして調整するために、培養に用いた培地成分の残留物や水酸化カルシウム粒子の残留などにより測定値が不安定になるなどの問題点が明らかになり、今後、測定値の信頼性の向上には、試料の調整方法についてさらなる検討を加える必要があると思われる。
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