研究課題/領域番号 |
14771090
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
横山 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (80308262)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | チタン / 生体・歯科材料 / インプラント / 生体・口腔内環境 / 腐食 / 水素脆化 |
研究概要 |
本年度は、主にう蝕予防剤や歯磨剤を模擬したフッ化ナトリウム水溶液中において、チタンおよびチタン合金が吸収する水素の定量と破壊寿命評価を行った。水素吸収量および水素の存在状態は、四重極質量分析器を用いた昇温放出水素分析法で調べた。破壊寿命は定荷重試験で評価したが、実験の長期化を避けるため、実際の口腔環境を加速したもので行った。本研究により、酸性フッ化ナトリウム水溶液中におけるチタン合金の水素吸収量および水素吸収特性は、合金の構成相に大きく依存することが明らかになった。アルファチタン(純チタン)では、吸収した水素の多くは試料表面付近に水素化物を生成し、その水素化物がそれ以降の水素吸収を抑制した。一方、ベータチタン合金では多量の水素を吸収するが水素化物は生成せず、試料内部にまで水素は拡散した。アルファ-ベータチタン合金は、水素吸収量が多くなると水素化物の生成が確認された。チタン合金の構成相の違いで腐食特性の違いがあり、溶液中での破壊寿命はアルファ-ベータチタン合金が最も長く、破壊寿命や破壊機構はチタン合金の構成相に大きく依存することを明らかにした。チタン合金の長寿命化への一つの指針は、合金の構成相を制御することが有効であることが示唆される。また、ニッケル-チタン超弾性合金の水素の存在状態は水素吸収する環境条件によって著しく変化し、水素の存在状態が水素量と同様に機械的性質に大きく影響することも明らかになった。特に、昇温することで低温放出される水素が、ニッケル-チタン超弾性合金の材質劣化を引き起こしている可能性が高いことが示された。
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