研究課題/領域番号 |
14771139
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
江口 覚 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20263866)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | パッチクランプ / K-ATPチャネル / 静脈麻酔薬 |
研究概要 |
【方法】オスのWisterラットを使用した。ランゲンドルフ法で、摘出心臓をTyrode液で灌流し、心腔内の血液を洗い流した。次に、Ca-freeのTyrode液を使用して拍動を停止させた後、酵素灌流で細胞間結合を切り離した。遠心、濾過した単離細胞をCa-freeのTyrode液に集めた。パッチクランプを用いたinside-out法で細胞内からの影響を測定した。静脈麻酔薬のミダゾラム、及びその拮抗薬であるフルマゼニルがK-ATPチャネル活性に与える影響を検討した。【結果】inside-out法は、細胞内膜をATP-free溶液にさらすことによりK-ATPチャネルは活性化される。この活性化に対しミダゾラム(10μM、0.1μM)はK-ATPチャネルの開口率に影響を与えなかった。また、フルマゼニルはチャネル活性に影響しなかった。このことからフルマゼニルはK-ATPチャネルへ直接的に影響しない可能性を示唆している。【考察】短時間の心筋虚血が、それに続いて起こる長時間の心筋虚血に対して保護的に作用することはischemic preconditioning (IPC)とよばれている。心筋虚血の代わりに揮発性麻酔薬の前投与が同様の作用をもちanesthetic preconditioning (APC)と呼ばれている。これらの作用は、K-ATPチャネルが関与している可能性が示唆されている。前年度は単一濃度のミダゾラム(100μM)が細胞内伝達物質などを介さずにK-ATPチャネルを直接抑制する可能性のあることを報告した。だが、それより低濃度ではチャネル活性に影響をあたえないことが本年度の結果から示唆された。またその拮抗薬であるフルマゼニルは単一濃度ではあるがチャネル活性に影響をあたえなかった。今回はフルマゼニルの溶液濃度の影響を測定するに至らなかった。またミダゾラムとフルマゼニルの相互作用とK-ATPチャネル活性の関連についてはまだ明らかにされていない。
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