研究課題/領域番号 |
14771167
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科系歯学
|
研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
堂東 亮輔 松本歯大, 歯学部, 助手 (40329470)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 唾液腺導管上皮細胞 / ATP-binding cassette(ABC) transporter / MDR1 / MRP1 |
研究概要 |
唾液腺導管上皮細胞においてABC transporterが生理的役割を果たしているか明らかにするため、ヒト唾液腺組織およびヒト顎下腺由来培養細胞を用いて、免疫細胞組織化学的染色法、ウエスタンブロットおよびRT-PCR法を用いて以下の研究を行なった。 1、ヒト唾液腺組織におけるABC transporterの発現を検索するため、抗MDR1抗体(JSB-1,C219)、抗MRP-1(MRPm5)、抗MRP2/cMOAT抗体(M2III-6)および抗LRP抗体(LRP56)を用いて免疫組織学的に検討した。DABによる酵素化学的発色法のほか、FITCによる蛍光法を用いて観察した。その結果、MDR1とMRP1の発現部位は類似し、線条部導管と排泄部導管上皮細胞において強い発現がみられた。MRP2は線上部導管の交連結合部に発現していた。LRPは導管上皮細胞内に顆粒状に発現していた。 2、唾液腺由来細胞をビンクリスチン、エトポシドで処理し、ABC transporterの発現を検討した。両薬剤によってMDR1とMRP1の発現誘導がみられたが、その免疫組織学的発現強度はMDR1で高かった。しかし、ビンクリスチン処理前と処理後のMDR1とMRP1mRNAの発現をウエスタンブロットとRT-PCRで比較したところ、MRP1のmRNAのactivated production(発現誘導)がMDR1に比べ著しいことが明らかとなった。 以上の結果から、唾液腺導管上皮細胞は、ABC transporterを生理的に発現しており、その発現強度は、導管上皮の種類で異なっていた。さらに、唾液腺導管上皮由来培養細胞は、薬剤の作用により、ABC transporterの発現量が増加することから、ABC transporterが唾液腺において物質輸送や排泄機能に役割を果たしていると考えられた。 今後は、薬剤排泄方向や発現誘導物質の同定を行なう予定である。
|