研究概要 |
前年度の研究結果より,口腔癌細胞に由来する活性型TGF-β1がリンパ球の活性化とCD26/DPPIVの発現を抑制し,Th1,Th2細胞から産生されるTリンパ球活性化サイトカインの産生も抑制することが明らかとした.そこで本年度は,CDK2 inhibitor p27kipの持続発現によりG1 arrestが誘導されさらに,DPP IVの発現が抑制されるかを検討した. 1 ヒトKB細胞培養上清から得られた8 ̄30kDa分画を添加した実験系で,リンパ球の細胞周期をフローサイトメーターで検討した.その結果,8 ̄30kDa分画添加群ではG1 arrestが誘導さていることが明らかとなった.このG1 arrestは抗TGF-β1中和抗体を添加することによりCell Cycle progressionがみられた. 2 ヒトKB細胞培養上清から得られた8 ̄30kDa分画を添加した実験系でリンパ球抽出液を採取し,CDK2 inhibitorであるp27kipおよびCD26/DPP IVの発現をウエスタンブロット法にて検討した.その結果,8 ̄30kDa分画添加群ではp27kipの発現が持続していた.また,分画添加群では,CD26/DPP IVの発現の低下を認また. 本研究の結果より,口腔癌細胞に由来する活性型TGF-β1がリンパ球の活性化とCD26/DPPIVの発現を抑制することが明らかとなった.これらの機構は,CDK2 inhibitorであるp27kipによるG1 arrestの持続によるものと考えられた.
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