研究概要 |
前年度の実績報告書で報告したように,う蝕原因菌であるStreptococcus sobrinus OMZ176の培養上清中に骨芽細胞MC3T3-E1に対する分化阻害活性および細胞間情報連絡阻害活性が含まれることが明らかになった。引き続いて今年度は本活性因子の部分精製を試み,以下の結果を得た。 1.90℃,20分の加熱で失活しない。 2.Proteinase K処理では失活しない。 3.クロロホルム・メタノール抽出した際には水層に移行した。 4.上記処理で分化阻止活性と細胞間情報連絡阻害活性は常に同様なmode of actionを示し,両活性が同一の因子により引き起こされている可能性が示唆された。 現在本研究成果をもとに本活性因子をグラム陽性菌の細胞壁成分の一つであるLipoteichoic acidであると推定し,Sepharose6Bによるゲル濾過およびOctyl-SepharoseCL-4Bによる疎水性クロマトにより本格精製を試みている最中である。
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