研究課題/領域番号 |
14771204
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
氏家 真由子 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (40338851)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 歯の生理的動揺度 / 歯の外傷 / 実験的歯牙不完全脱臼 / 実験病理学的研究 / 暫間固定 / 固定期間 / 外傷歯の治癒 / イヌ |
研究概要 |
前年度、10か月齢のビーグル犬における上顎切歯の生理的動揺について、動揺度測定器を用いて測定した結果、研究代表者が既に調査したヒトにおける上顎永久切歯歯根未完成期の生理的動揺度に近値していることを明らかにした。その後、ビーグル犬の上顎第二切歯に実験的歯牙脱臼を惹起させ、歯の動揺度の変化を観察した。実験歯の外傷前の動揺度測定値の平均は2.5であり、外傷直後の動揺度測定値の平均は5.3であった。外傷後の動揺度変化は、実験直後から7日経過までに、平均4.4まで減少し、14日経過時の平均は3.9、21日経過時は3.1、28日経過時も3.1と、3週目以降は明らかな減少は認めなかったものの、ゆるやかに実験開始前の生理的動揺度に近似した値まで減少することが示唆された。しかし、4週では、実験開始前の生理的動揺度まで減少したものは認めなかったため、実験期間の延長を考慮する必要性があると考えられた。また、研究代表者らが臨床において調査している、乳歯における不完全脱臼時の動揺度変化のデータを参考に、本実験結果と比較・検討を行ったところ、本実験結果と類似しており、本実験は、今後の臨床において有意義なデータであると思われる。 実験歯の標本作成後、病理学的検索を行ったところ、不完全脱臼時の歯周組織の状態や治癒過程については、歯根の形成状態や、歯周組織の成熟度など、非常に多くの因子が関与していることが推測され、今後の課題となる点が多くみつかった。今回は、動揺度に関してその変化と、形態学的特徴との関連性を確立することが目的であったが、症例数が少ないこと、同じ月齢であっても個体差が大きいことや、受傷状態の均一化を図ることがきわめて困難であったことなどのため、その詳細の把握までには至らなかった。今後、症例数の増加、および検索方法の追加をすることで、本研究をさらに発展させていく予定である。
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