研究課題/領域番号 |
14771217
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
村田 雅史 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (40303135)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ヒト歯肉上皮細胞 / 組織工学 / 細胞増殖因子 / 臨床応用 / ヒト培養歯肉上皮シート / ティッシュ・エンジニアリング / 創傷治癒 / Biological dressing |
研究概要 |
申請者らは、組織工学的手法を用いて患者の歯肉上皮細胞を用いて作製した、ヒト培養歯肉上皮シート(HCGES)が生理活性を有する創傷保護材として機能し、創傷治癒を促進させるかどうかを明らかにすることを目的として基礎・臨床の両面から検討を行った結果、以下の3点を明らかにした。 1)HCGESの培養上清中に、細胞増殖因子である、VEGF,TGF-α,TGF-β1が創傷治癒に有効な量で放出されていることを明らかにした。 2)免疫組織染色により、HCGESの構成細胞が、正常の歯肉上皮細胞と同様に角化細胞の分化マーカーであるCytokeratin 19および上皮細胞の最終分化マーカーであるinvolucrinを発現しているが、その分布範囲から、HCGESの上皮細胞は正常の歯肉上皮細胞と比較して未分化な状態が維持されており、より角化しやすい状態であること、またHCGESの基底細胞層に増殖活性マーカーであるPCNAが発現しており、増殖活生を保持していることが分かった。これらの結果から、HCGESは生理活性および増殖活性を有しており、露出創面や患部に移植を行うことにより、創傷治癒の促進が期待された。 3)これらの基礎的データをふまえ、HCGESの臨床応用として剥離性歯肉炎症例への移植材として用いたところ、その術前後において組織学的および臨床的にも改善がみられた。コラーゲン製材である従来の移植材と比較して生物学的活性が保持されていることおよび患者自身の組織を使用することからその安全性において優れた性質を有していることが分かった。今後の課題としては、機械的強度の点で従来の移植材と同程度のものとなるようなマトリックスの開発が急務となろう。
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