研究課題/領域番号 |
14771221
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 茂夫 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00325200)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 歯周病 / エンドセリン / 糖尿病 / インターロイキン6 / IL-6 |
研究概要 |
慢性炎症である歯周病と糖尿病との関連が広く知られるようになってきたが、両者は多因子性疾患であり、様々な因子が複雑に絡みあっている。これらの中で我々はエンドセリンに注目し、両疾患の相互作用の分子機構について検討を行ってきた。細胞培養系を用いた研究、免疫組織学的研究あるいは歯周病患者の歯肉溝浸出液の解析から炎症性歯周組織においては高濃度のエンドセリンが産生されていることを明らかにした。また高糖環境下で培養した歯周組織由来細胞ではエンドセリンの発現が増加していた。さらに培養系の研究からエンドセリンの歯周組織での役割として、好中球の遊走促進、骨吸収の促進、炎症性肉芽組織の増殖促進の可能性が示唆された。本研究より歯周病にはその発症・進展にエンドセリンが深く関与しているタイプのものが存在することが明らかとなり、糖尿病を合併している場合には歯周炎がさらに進行することが考えられる。また、歯周局所で高濃度に産生されたエンドセリンがサイトカインを誘導することで、糖尿病のコントロールを悪化させている可能性が示唆された。さらに糖尿病の合併症の1つである糖尿病性網膜症と歯周病との間にはエンドセリンによって誘導されるインターロイキン6を介した相関を認めた。本研究から歯周病と糖尿病との相互作用分子の1つとしてエンドセリンが示唆され、その役割について明らかとなった。また、糖尿病患者の歯周病治療においてエンドセリンをターゲットとした新たな治療法の開発に有用な知見を得ることができた。
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