研究課題/領域番号 |
14771248
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒井 秀 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (20285224)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 不斉合成 / キラル4級アンモニウム塩 / 相間移動触媒 / マイケル反応 / 4級アンモニウム塩 / 不斉マイケル反応 / 触媒的不斉合成 / 不斉アルドール反応 |
研究概要 |
我々は、実用的有機分子創製法の確立を主眼として、キラル相間移動触媒に着眼して研究を展開してきた。相間移動触媒が有機合成化学の中で分子合成法における有用な手法となる所以は以下の理由による。すなわち、1)穏和な反応条件で化学反応が実現できる。 2)簡便な実験操作で環境への配慮が十分に期待できる。 3)反応溶媒に水を使用することも可能で、経済性に優れている。 である。相間移動触媒の中でも4級アンモニウム塩は、その合成の容易さと汎用性の高さから注目を集めてきた。しかし一方で、その立体化学の制御は自由度の高いイオン結合に起因する為、非常に困難な研究課題でもあり、成功例は少ない。我々は、従来までの触媒とは異なる非常に高い対称性(D2対称)を有する新規触媒をデザイン、合成し触媒的不斉合成への展開を試みた。 酒石酸から短工程で得られるスピロ型触媒を独自に調製し、シッフ塩基由来の基質を用いた不斉マイケル反応へ展開させたところ最高で91%eeが達成された。この値は、一連のマイケル反応でも最高値として位置付けられる。得られた化合物はキラルグルタミン酸誘導体へ容易に変換できることから、極めて有用性の高い化合物群である。更により迅速かつ多様な触媒群を高効率的に合成すべく、新規な触媒合成ルートの開拓にも成功した。この場合、保護基を使い分けることで従来にはない高い多様性で触媒を合成しうることを見出した。また、不斉4級炭素の構築にも展開しており、現在良好な結果が得られている。
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