研究課題/領域番号 |
14771249
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長光 亨 北里大学, 薬学部, 講師 (90300756)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 抗寄生虫活性物質 / NADH-fumarate reductase / ナフレジン / ナフレジン-γ / 全合成 / 構造活性相関 / 抗寄生虫薬 / 誘導体合成 |
研究概要 |
寄生虫症は感染者数が延べ40億人以上と世界で最も患者数の多い疾患であり、現在用いられている抗寄生虫剤に対する耐性種の出現もありその数は増加傾向にある。このように寄生虫症対策が世界的な重要課題となっている中、北里研究所において微生物培養液を対象にNADH-fumarate reductase阻害物質の探索が行われた結果、新規抗寄生虫活性物質ナフレジンが発見された。ナフレジンは、強い貧血を引き起こし死に至らしめることもある捻転胃虫の羊に対する感染治療実験において、経口投与で著効を示ししかも毒性が見られなかったことから、今後の医薬品としての開発が期待されている化合物である。そのナフレジンに関して、絶対構造決定及び全合成を達成後、構造活性相関研究を進めていた過程において、ナフレジンを弱アルカリ条件下で処理することによりナフレジン-γへと変換することを見いだし、更にナフレジン-γがナフレジンと完全に同じ抗寄生虫活性及び選択性を示すことを明らかにした。このナフレジン-γの構造はナフレジンよりもシンプルな構造をしていることから、ナフレジン-γの全合成はナフレジンのものよりも効率的に確立でき、サンプル供給や誘導体合成研究も容易になると考えられた。そこで著者らは次にナフレジン-γの全合成研究に着手し、コンバージェントな方法により、計18工程、全収率14.7%でナフレジン-γの全合成を達成した(研究発表参照)。これにより、培養による取得が困難であったナフレジンの等価体、ナフレジン-γの大量合成が可能となり、実際に1gスケール合成を達成した。今後各種動物試験へとサンプルを供与していく予定である。またナフレジン-γの誘導体合成も現在並行して進めており、多くの知見が得られてきている。今後これらの結果をもとに、更に構造活性相関を調べると共により優れた抗寄生虫剤を開発していく予定である。
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