研究課題/領域番号 |
14771291
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
木村 光利 城西大学, 薬学部, 助手 (00255027)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Hepatocytes / Adrenoceptor agonist / PI3-kinase / P70S6 kinase / Primary culture / Growth factor / Western blotting / Cross-talk / Hepatocyte proliferation / MAP kinase / Western blotting analysis |
研究概要 |
肝再生現象の仕組みの一端を解明する目的で、初代培養肝実質細胞系において、アドレナリン作動性α_1、α_2およびβ_2受容体応答が、上皮増殖因子(EGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)や肝細胞増殖因子(HGF)などの各成長因子のシグナル伝達機構のどの部分と相互作用をしているのかを、MAPキナーゼ(MAPK)の上流と下流に位置していると推定されるフォスファチジールイノシトール3キナーゼ(PI3K)およびp70リボゾーマルS6キナーゼ(p70S6K)の活性を直接測定することにより検討した。 その結果、1)PI3Kおよびp70S6K蛋白質の単離条件(細胞懸濁液、蛋白質分離条件など)、PI3K やp70S6Kのリン酸化体に対するモノクローナル抗体を一次抗体、HRP標識抗ウサギIgGを二次抗体として用いた非RI標識法によるウエスタンブロット解析の至適実験条件(標識用緩衝液および抗体の濃度など)を設定することができた。2)HGFとPDGFの各々の単独刺激により、培養開始5分でピークとなる一過性のPI3KおよびP70S6Kのリン酸化活性の増加が、各々発現したが、EGF刺激ではPI3Kの活性化を示さなかった。さらにPI3Kの活性は、特異的MEK阻害であるPD98059では抑制されず、PI3KがMAPKの上流に位置することが碓認できた。3)そして、EGFによるP70S6Kの活性化は、β_2作動薬の共存下で増強され、α_2作動薬で減弱された。PDGFによるPI3Kおよびp70S6Kの活性は、各々α_2およびβ_2作動薬の影響は受けず、α1作動薬でのみ増強された。さらにHGFにおいては、α_1およびβ_2作動薬の共存下で、ともに増強された。一方、α_1、α_2およびβ_2作動薬単独ではPI3Kおよびp70S6K活性に影響を与えなかった。 これらの結果から、上記成長因子による増殖シグナルは受容体チロシンキナーの下流からPI3Kの上流付近で、それぞれの成長因子に特有なアドレナリン作動性調節を受けていることが示唆された。
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