研究課題/領域番号 |
14771324
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境系薬学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
奥野 智史 摂南大学, 薬学部, 助手 (30288972)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | セレノメチオニン / マウス / 肝臓 / シスタチオニンγ-リアーゼ / グルタチオンペルオキシダーゼ / L-セレノメチオニン / 代謝 / α,γ-位脱離酵素 / 精製 / 性状把握 / 同定 / α,γ-位脱離反応 / 酵素 |
研究概要 |
セレノメチオニンはシスタチオニンγ-リアーゼが触媒するα,γ-位脱離反応によってメチルセレノール、α-ケト酪酸およびアンモニアに変換される。この経路以外に、セレノメチオニンはいくつかの酵素によってセレノシステインやセレン化水素を経てメチルセレノールに代謝されることが示唆されている。そこで、セレノメチオニンの解毒ならびにグルタチオンペルオキシダーゼ(cGPx)の生合成におけるシスタチオニンγ-リアーゼの寄与について検討した。マウス肝臓におけるシスタチオニンγ-リアーゼ活性はセレン欠乏あるいは中毒量のセレノメチオニン投与によってもほとんど影響を受けなかった。このことから、この酵素はセレノメチオニンの解毒代謝やcGPxなどへのセレンの生物学的変換に有効である可能性が示唆された。セレン排泄のためのメチル化代謝の中間体として位置づけられているメチルセレノールが、cGPxの生合成に関与するか否かをさらに検討した。メチルセレノールとマウス肝可溶性画分を用いたin vitro反応では、cGPxの取り込みに必要とされるセレン化水素の生成は確認できなかった。しかしながら、セレン欠乏によって低下したマウス肝臓におけるcGPx mRNAおよびcGPxタンパク質発現量は、セレノシステインを経由したセレノメチオニンの代謝に関与するS-アデノシルホモシスティナーゼを過ヨウ素酸-酸化アデノシンで阻害しても栄養レベルのセレノメチオニン経口投与後に有意に回復した。セレノメチオニンの2つの代謝経路に関わるシスタチオニンγ-リアーゼをプロパルギルグリシンで阻害した場合にはそれら発現量の回復は抑制された。これらの結果から、シスタチオニンγ-リアーゼはセレノメチオニンの代謝において注目すべき酵素であり、この酵素反応によって生成するメチルセレノールがcGPx生合成に利用されることを初めて明らかにした。
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