研究課題/領域番号 |
14771353
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
吉田 英昭 札幌医大, 医学部, 助手 (60325876)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 慢性腎不全 / 動脈硬化 / 心血管合併症 / 副甲状腺ホルモン |
研究概要 |
1.目的 慢性透析(HD)患者の動脈硬化促進や心血管系合併症の発症と、副甲状腺ホルモン(PTH)は密接に関連していることが注目されている。従来HD患者の副甲状腺機能のマーカーとして、intact PTH(iPTH)を測定されてきたが、これは生理活性のない7〜84PTHも測定していることが判明し、最近になって活性を持つ完全型のwhole PTH(1-84 PTH)が測定可能となった。そこで透析患者のiPTHとwhole PTH(wPTH)を同時に測定し比較検討し、他の検査データとともに動脈硬化、心血管系合併症について検討を行った。 2.対象と測定項目 平成10年度に当施設、及び関連施設のHD患者に断面調査を行った約300例のうち、本年度は45名を対象に、一般血液検査に加え骨型ALP、オステオカルシン、iPTHとwhole PTHを同時測定。更に心エコーと頚部エコーにより異所性石灰化の進展を評価した。 3.結果 iPTH、wPTHいずれも骨型ALPとオステオカルシンに有意な正相関を示した。PTH値を層別に比較すると、両PTH低値群間では明らかではなかったが、wPTH非低値群(>31pg/ml)は、iPTH非低値群(>60pg/ml)に比較して強い相関傾向を示した。(骨型ALP : r=0.452 vs. 0.396、オステオカルシン: r=0.687 vs. 0.0676)。また、異所性石灰化の進展の有無に、4年間ではいずれのPTHも関連を認めなかった。 4.考察 wPTHはiPTHに比し、骨代謝マーカーとより良い相関を認める。特にiPTHが高値を示す様な症例では、wPTHの方がより鋭敏に骨代謝を反映し、有用となる可能性が示唆された。動脈硬化の進展や心血管系合併症の頻度、進展には明らかな知見が得られなかったが、本研究で検討される残りの約250例のデータが蓄積されるのを待ちたい。
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