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遺伝子診断に内在する倫理的・法的・社会的諸問題に関する日米比較

研究課題

研究課題/領域番号 14771359
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 基礎・地域看護学
研究機関北海道大学

研究代表者

平塚 志保  北海道大学, 医学部, 講師 (10238371)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード遺伝学 / 優生学 / 医療倫理 / 医事法 / 遺伝子診断 / ELSI / 遺伝子検査 / 遺伝情報 / 倫理的問題 / 法的問題 / 社会的問題 / 医師の警告義務 / 疾病概念 / 遺伝情報による差別 / 遺伝疾患
研究概要

本年は、日本に優生学が導入、支持され、遺伝学へ変遷した歴史的考察を行ない以下の考察を行なった。
1.福沢諭吉に始まる優生学は、明治維新という社会改革の喚起されているものの、以降の思想家のほとんどは生物学あるいは進化学という学問を出発点とする。
2.諸外国と同様に日本において、ダーウィンの進化論は優生学の根拠づけに大きな役割を果たし、とくに宗教的背景が希薄な日本においては、文明思想として積極的に受け入れられた。
3.ドイツあるいはアメリカ合衆国で優生攻策が本格化するのは第一次大戦後であるのに対し、日本では第二次大戦後である。日本の優生学の発展は、戦争で多くの命が失われた結果、優良な生命を回復させ、国の復興や成長をめざすという社会的背景が大きな役割を果たしている。
4.日本の優生学で特徴的であるのは、皇室崇拝を詠う日本独特のナショナリズムである。
5.日本において「優生」という言葉は、タブー視されたものではなく、公然と極最近まで使用されていた。
6.日本に導入された進化学は、獲得形質の遺伝の解釈によって、「生まれ」と「育ち」のいずれを重視するのかという点で変化している。とくに獲得形質の遺伝を認めないヴァイスマン説に傾倒するにつれて、「不適者」への消極的優生学に結びつく傾向がある。
7.2002年に施行された「健康増進法」では、健康を保持することが国民の責務となった。この健康の概念は、今後遺伝子レベルで解釈される可能性もある。国家による健康の義務づけは、個々人の内なる優生思想を助長する可能性がある。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (6件)

  • [雑誌論文] 優生学と遺伝学(二)-日本における歴史的考察-2004

    • 著者名/発表者名
      平塚 志保
    • 雑誌名

      北海学園大学大学院法学研究科論集 第6号

      ページ: 1-28

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 平塚 志保(財団法人バイオインダストリー協会): "アメリカにおける遺伝情報に基づく健康保険の差別的な取扱い(第2章バイオ事業化に伴う生命倫理等に関する研究〔研究代表 蔵田伸雄〕第3部の6)"平成14年度環境対応技術開発等(バイオ事業化に伴う生命倫理問題等に関する研究)に関する報告書. 102-119 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 平塚 志保: "遺伝学における2つのモデルの検討"日本生命倫理学会第15回年次大会. 76 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 平塚 志保: "優生学と遺伝学(一)-その歴史的・倫理的・法的考察-"北海学園大学大学院法学研究科論集. 第5号. 1-44 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 平塚 志保(阿部俊子, 山口徹編集): "総合保健医療論-これから保健・医療・看護「III.保健医療に関する法と倫理」の「1.区療倫理」の「7」遺伝学の発展と法的・倫理的問題」"ヌーベルヒロカワ. 246(108-111) (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 平塚 志保: "遺伝医療の発展と疾病概念の変容-1判例を素材として-"日本生命倫理学会第14回年次大会プログラム. 58-58 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 吉田 敏雄, 平塚 志保 (共訳): "比較法的観点から見た生物医学の進歩に関する法的諸問題 (アルビン・エーザー,ハンス=ゲオルク・コッホ共著)"北海学園大学法学研究. 38・2. 239-264 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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