平成15年度においては、科学研究費で購入したパーソナルコンピューターを使用して、指圧について看護の分野で研究された文献検討を行った結果を、JNI (The Journal of Nursing Investigation)に報告した。得られた結果は、指圧の効果は患者が指圧について肯定的に捉えてる場合は、その効果が非常に大きいことがわかった。また、指圧の圧迫部位・圧迫の強さ・頻度など、まだ一定の手技と成果が得られていないため、今後とも追試験を重ねる必要性が示唆された。 また研究者は、今年度は東洋医学に関するセミナーに合計12回参加し、東洋医学の知識とその技術(ツボ経絡、指圧、マッサージ方法)の習得を行った。その結果、看護の領域の援用できる東洋医学的な指圧やマッサージの方法を習得・理解することができ、今後の看護のケアに役立てて行くことができると思われる。 現在、平成14年度及び15年度の科学研究費で購入した、湿性ホットパック加温器、生体筋硬度計他を使用し、健康な人を対象とした指圧・マッサージの研究を実施中である。 今後はまずこれらの研究で得られた健康な人に対する指圧・マッサージを実施してのデータをもとに、患者に対しての補完療法である東洋医学的な指圧・マッサージの看護ケアを安全に実施できることを十分に確認した上で、まずは肩こり発生の頻度の多い脳神経疾患患者を対象に研究を進め、結果を発表してゆく予定である。
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