研究課題/領域番号 |
14780001
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
科学技術史(含科学社会学・科学技術基礎論)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田口 直樹 金沢大学, 経済学部, 助教授 (60303252)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 金型 / CAD / 情報技術 / 知的所有権 / 中国 / 取引関係 / 知識 / 技術移転 / 情報化 / 技能 / 製造業 / CAE / 技術 / 熟練 / 中国経済 |
研究概要 |
本年度は、中国金型メーカーの金型製造過程、とりわけ設計過程における情報化の進展により、中国市場における金型取引がいかなる特徴をもって展開されるかを中心的なテーマとして掲げ調査・研究を行ってきた。ここから得られた研究成果は以下のとおりである。第一に、日系ユーザーが中国へ進出し、金型を調達する場合、高精度・高品質を要する金型に関しては、日本の金型メーカーに試作品・第一号型を設計させ、その設計に基づいて量産型あるいは二号型以降を現地ローカルメーカーに製造させるというケースが多くみられた。このことの含意は、日本の金型メーカーが作成した金型図面を現地ローカル金型メーカーに横流しをしているということである。これは、設計情報がCADという形でデジタル化されたことにより、第三者が技術的に利用可能になったことを意味しているが、同時に、日本の金型メーカーのもつノウハウが中国の金型メーカーに無償で流れていることを意味している。金型図面に関する所有権の曖昧さがこの問題を引き起こしており、日本の金型メーカーの技術・ノウハウを保護するための知的所有権問題の整備を急ぐ必要があることが浮き彫りになった。第二に、こうした日本の金型メーカーの技術に依拠した金型製造であるため、中国の金型メーカーの金型設計に関する技術蓄積が進まないという現実があり、中国の量産メーカーの製品は、日本の品質基準からすると到底そこには及ばないという問題がある。この問題は、中国が今後発展していく過程で、様々な社会的規制(環境規制、製造物責任等)が本格化するなかで、確実に制約条件としてでてくる問題である。この問題は、情報化の進展による技術進歩では賄いきれない問題であり、アナログ的な経験の蓄積が必要となる。この点が中国の今後の最大の課題であり、逆に言えば、日本の金型メーカーがまだ競争力を維持できる根拠にもなっている。
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