配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
復元生の良い凍結乾燥食品を作る条件、すなわち、適度な大きさの氷結晶を均一に生成するために必要な冷凍条件(圧力、温度)を検討した。豆腐を用いて詳細に条件検討を行なった後、野菜や肉類についても試みた。充填豆腐(30×30×15mm角)3個、ニンジン(直径15mm×高さ10mm)6個、豚肉(20mm角)3個を試料とした。真空包装した試料を、食品高圧処理装置(Dr.Chef、神戸製鋼所製)を用いて-5℃,50MPa、100MPa、150MPa;-10℃,100MPa;-15℃,150MPaで60分間圧力移動凍結、または大気圧下の-20、-30、-80℃冷凍庫で冷凍した。これらを凍結乾燥機(ヤマト科学株式会社製)で乾燥し、75℃温水で復元後、外観撮影、重量測定、クリープメータ(山電製)による破断強度解析を行った。また、氷結晶と微細構造をクライオ走査型電子顕微鏡(日立製作所製)で観察し、官能評価を行った。 圧力移動凍結し凍結乾燥した豆腐は、全体にほぼ均一なサイズの氷結晶跡がみられ、そのサイズは0.1MPa,-20℃≫0.1MPa,-30℃>50MPa,-5℃>150MPa,-5℃≧100MPa,-5℃>150MPa、-15℃≒100MPa、-10℃≧0.1MPa、-80℃であった。冷凍保存試料では氷結晶のサイズが小さい程物性の変化が少ないが、凍結乾燥の場合は150MPa,-5℃および100MPa,-5℃で冷凍した試料が外観、物性とも最も未処理近く、官能検査でも最も良いと評価された。この時の氷結晶サイズは約3×103μm^2であった。すなわち、圧力と温度を組み合わせ凍結過程で氷結晶のサイズや形をコントロールすることで凍結乾燥食品の品質を向上させることができる可能性が示唆された。ニンジン、豚肉においても同様の傾向はみられたが、組織が複雑なため氷結晶の観察が難しく、明確な差はみられなかった。
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