研究概要 |
本研究の目的は,運動部活動への参加を通じて生徒がライフスキルを獲得できるプログラムを開発し実践することであった。その内本年度は,運動部活動に参加していない生徒を対象に調査を実施し,これまでに収集した運動部活動参加者のデータと比較・検討することにより,本プログラムによる効果を測定した。その結果,本プログラムへの参加により生徒はライフスキル(目標設定スキル)を獲得できることが明らかになった。また,目標設定スキルの獲得は基礎的認知能力の発達を通じて時間的展望の獲得に結びつくこと,さらに,時間的展望の獲得には時間的展望生成の図式に基づいた指導が一定の効果を持つことが明らかになった。本研究の結果,運動部活動への参加を通じたライフスキルの獲得に関して,本プログラムの有効性が確認された。 本研究を遂行する過程において生徒用ワークブック及び指導者用マニュアルが作成された。本年度はプログラムの効果がこれまで以上に認められるよう,これらの内容の充実を図ると共にカラー化を実施した。また,本プログラムは基本的に中学・高校生を対象に開発されているが,運動部活動全体を視野に入れたプログラムの開発に向けて,大学運動部を対象とした聞き取り調査を行った。本調査の結果は今後の研究に活かされる。 なお,本年度が研究計画の最終年度であることから,本研究の成果について日本スポーツ心理学会,及び日本フットボール学会にて発表を行った他,論文等への投稿を通じて広く成果を公開した。
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