研究概要 |
平成15年度は,「因果関係を視覚化するツールである因果ダイアグラムを,グラフィカルモデリング等の多変量解析法により統計的に推測する方法論を開発し,同時にその数理的基盤を整備すること.さらに,これらの結果を計算機へ実装すること」を目的とした研究を行った.その結果,因果ダイアグラムの理論のフレームワークにおいて以下のような結果を得た. 1.反応変量の観測が困難である場合において,因果効果を識別するのに十分な代用特性と共変量集合の組を選択する基準を、ノンパラメトリックな立場から与えた. 2.共変量を探索するための方法論として、群間に線形傾向を仮定したクラスター化法としてk-planes法を開発し,計算機へ実装した. 3.総合効果を識別するための方法論である条件付操作変数法に着目し、その推定精度について考察した.反応変量の観測が困難である場合において,総合効果を識別するのに十分な代用特性と共変量集合の組を選択する基準を与えた.また、本結果と因子モデルとの関連性について考察した。 4.因果構造を完全に回復するために,因果構造探索アルゴリズムに追加するのに十分な外的操作の回数とそれらのグラフにおける位置関係について考察した. 5.因果効果の推測問題を,観察研究と実験研究の両面から考察するために,Shainin' Variable Search methodにおける、推定可能母数と別名関係について議論した.
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