研究概要 |
平成15年度は,平成14年度に行ったWebコンテンツの文書情報(Model)・表示(View)・操作(Controller)を分離し再利用性を高めたモデルに基づき,大画面スクリーンや情報携帯端末等の小画面スクリーンへの適用を行った。大画面や小画面ではペンによるインタラクションが中心であるため,マウスのようなボタンを利用したモード切換えが行えない。そのため,通常のタップ操作と,タップ&ホールド操作を弁別させる仕組みをControllerモデルにより実現した。これにより,Webコンテンツに対するペン操作の親和性を高め,応用範囲を広げることが可能になった。 本研究における技術の有効性を示すため,Web文書のリンク展開ツールinlineLinkと,展開と畳み込みに基づくWeb文書編集システムJavaraへの適用を行った。ペンによる編集機能をJavaraに実装することによって,大画面インタフェースへの親和性を高めることができた。また,画面表示情報を文書情報として保存する機能を加えたことにより,従来inlineLink/Javaraにおいて困難であったそれぞれのWeb文書の展開状態・編集状態の保持が行えるようになった。これにより,Web文書閲覧・編集作業における利用性を向上することができた。 本研究ではWebページの操作を行う仕組みとしてJavaScirpt(Jscript)を使用しているが,これまではWebページにJavaScriptを適用するためにはプロキシ(サーブレット)を利用してWeb文書を表示前に変換する必要があった。我々はスクリプトレット(Scriptlet)機構を利用することにより,必要な操作・表現モジュールをWebページ表示中の任意のタイミングで選択的に適用・非適用することを可能にした。これにより,本研究で対象とする表現・操作モジュールの適用が格段に容易になるため,一般の利用者を含めた普及を促進する効果が期待できる。
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