研究概要 |
平成14年度の研究において等高線情報の特徴を維持したまま簡略化し、抽出する方法を提案し,さらにそのシステムを実装し有用性の検証をおこない、その結果有用性が示された。しかし、等高線情報により検索する意義については解明されていなかった。 そこで、平成15年度より等高線情報と同様の情報であるエッジ情報を元にした画像検索手法との比較を行ってきた。エッジ情報を抽出した後、本研究で等高線情報を簡略化するために用いている手法を用いエッジ情報を簡略化し同様な画像検索を行った。その結果、エッジ情報を用いた場合よりも等高線情報を用いた場合の方が検索効率がよいケースが多かったが、すべてのケースにおいて優位性が認められるほどの差異は結果となった。 平成16年度ではさらに等高線情報とエッジ情報の優位性の比較を2つの要素について行った.1つは構図による比較で,面積が基準値よりも大きい形状の等高線とエッジを抽出し,質問画像の配置との差をアース・ムーバース・ディスタンスによって計測した.もう1つは形状による比較でP型フーリエ記述子を用いて検出した.いずれの場合も顕著な優位性はどちらにも見られなかったが,対象画像によっては等高線情報でないと検出できない例もあった. これまでの研究で等高線情報の方がエッジ情報よりも優位性が高い場合があることが示されたが,どのような画像に対してその優位性があるのか未確定である.今後はこれらを解析するとともに,等高線情報による画像検索手法の確立が必要である.
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