研究課題/領域番号 |
14780260
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知能情報学
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
金丸 隆志 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (10334468)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | パルスニューラルネットワーク / デジタル回路 / FPGA / 動的なニューラルネットワーク / カオス / 振動 / 同期 |
研究概要 |
本研究は生体の脳内で実験的に観察されている振動・同期・カオス現象に着目し、それらを「ダイナミカルな振舞いを見せるニューラルネットワーク」というキーワードでモデル化し、理解することを目的にし、さらにそのデジタル・ハードウェア化を視野に入れた研究を行っている。 「モデル化」に関してはパルスニューラルネット系の振動・同期現象に着目して理論モデルによって解析を行なった。これは、振動・同期現象が脳内の情報統合メカニズムに関わっているのではないかと考えられていることに基づいている。パルスニューラルネットの簡易モデルとしてはactive rotatorとclass 1 canonical modelの二つを用いた。どちらも一次元の位相モデルであり、ほぼ等しい振舞いをみせる。これらのモデルは、その確率的な振舞いを記述するFokker-Planck方程式が簡単に数値積分できるという長所があるため、ノイズ下の振舞いを分岐理論に基づいて詳細に解析することができる。これは従来のモデル(Leaky Integrate and Fireなど)では実現されなかったことである。その結果、class 1ニューロンの結合系において振動・同期が起こる条件が明らかになり、さらにカオス同期も観測することができた。特に、カオス同期が簡単に実現されるという事実は、現実の脳において動的なダイナミクスが広く見られるということを示唆しており、今後の生理実験研究の進展が期待される。 一方、「デジタル・ハードウェア化」においては、FPGAを3つ搭載したPCIボードが完成し、そのボード上のFPGAに対し「連想記憶モデル」、「三層ニューラルネットワーク」などといった良く知られたニューラルネットモデルをパルスニューロンを用いて設計・実装した。三層ニューラルネットにおいては画像に対してパターン認識を行なうネットワークを実現し、その応用可能性を示した。
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