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ことばによる審美的効果の喚起機構の認知モデル:修辞表現を対象として

研究課題

研究課題/領域番号 14780263
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 知能情報学
研究機関電気通信大学

研究代表者

内海 彰  電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (30251664)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
キーワード審美的効果 / 認知モデル / 修辞 / 比喩 / アイロニー / 認知科学
研究概要

平成15年度の研究により得られた成果は以下のとおりである.
1.修辞表現の理解過程の認知・計算モデルと審美的効果の喚起モデルを融合した認知モデルの構築
(a)昨年度に提案した審美的効果の喚起過程の認知モデル-言語表現に内在するずれによって生じる多大な処理労力・負荷に見合うだけの豊かな解釈により審美的効果が生じる-を,研究代表者が以前に提案している比喩理解の認知・計算モデルに融合した.
(b)研究代表者が提案しているアイロニーの暗黙的提示理論に基づき,アイロニーの対人的効果である嫌味さとユーモラスさがどのようなメカニズムによって生じるのかをモデル化した.
2.心理実験による修辞表現の理解・鑑賞過程の認知モデルの評価
(a)「AはBである」という形式の隠喩表現を用いて,隠喩の解釈生成および審美的効果の喚起に関するオフライン実験を行った.その結果,AとBの類似度が低いほど比喩解釈に多くの創発特徴(たとえる概念やたとえられる概念では顕現的でないが,比喩の意味では顕現的となる特徴や属性)が含まれること,創発特徴が多く含まれるほどその解釈は豊かである(エントロピーが高くなる)こと,豊かな解釈を持つか,または美的評価が高い比喩表現は審美的効果を喚起しやすいことが明らかになった.これらの結果は,上記1(a)の統合認知モデルの妥当性をおおむね支持する.
(b)アイロニーの表現と発話状況がアイロニーさ(皮肉さ)の度合い,嫌味さの度合い,ユーモラスさの度合いに与える影響を調べるためのオフライン実験を行った.その結果,皮肉さと嫌味さは主にアイロニーの表現スタイルに依存するのに対し,ユーモラスさは表現と状況の両方に影響を受けるという,1(b)の認知モデルの予測に沿う実験結果を得た.
本研究課題で得られた以上の成果をもとに,認知修辞学という新たな学問領域を形成していきたい.

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 内海 彰: "言外の意味のコミュニケーション:語用論概説"人工知能学会誌. Vol.18,No.3. 337-345 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 内海 彰: "比喩の理解・鑑賞過程における創発特徴の役割"日本認知科学会第20回大会論文集. 162-163 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 内海 彰: "比喩によってどのように詩的効果が喚起されるか:比喩の鑑賞過程の認知モデルに向けて"人工知能学会第17回全国大会論文集. 3C1--09,1-3C1--09,4 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Utsumi: "Do emergent features influence poetic metaphor appreciation?"Proceedings of the Fourth International Workshop on Literature in Cognition and Computer (iwLCC2003). 1-4 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 大石 昌弘, 内海 彰: "アイロニーの与える効果の実験的検討:表現形式,対人的親密性,丁寧さによる影響"日本認知科学会第20回大会論文集. 164-165 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 桑原 雄, 内海 彰: "隠喩理解における創発特長の生成機構"人工知能学会第17回全国大会論文集. 3C1--08,1-3C1--08,3 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Akira Utsumi: "Toward a cognitive model of poetic effects in figurative language"Proceedings of 2002 IEEE Conference on Systems, Man and Cybernetics. (CD-ROM). WP1M2 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 内海 彰: "メタファーの創発特徴の分析:類似性創造の計算モデルに向けて"情報処理学会研究報告. 2003-CH-57. 57-64 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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