研究概要 |
社会基盤整備において市民参加を進めるに当たっては,意識調査をそのツールとして用いることを前提にして,その結果を分析する手法の開発が必要であるといえる.特に,意識と行動の関係や,サイレント・マジョリティーの存在,多様化する価値観などを考慮した,市民の意識を細分化して捉える方法を研究する必要がある.そこで本研究では,(1)既存の意識調査から得られた回答値間の関係を調べ,(2)意識構造の細分化手法を開発し,(3)実際に意識構造を調査しその実効性を検討することを目的とした. 本年度は当初の研究計画のうち,(2)および(3)について実施する予定であったが,「(2)意識構造の細分化手法を開発する.」においては,x2値のロバスト推定の議論をセグメンテーションに応用できないという問題が残っており,この部分について検討したものの最終的には完成させることはできなかった. 「(3)実際に意識構造を調査しその実効性を検討する.」においては,実際の社会基盤整備プロジェクトを対象に意識調査を設計し実施することができた.調査内容は,当該プロジェクトに対する意識の他,情報を得たメディアなどである.ここで得られたデータに対しては基礎的な分析を進め,調査手法の有効性やその内容について検討することができた.さらに,市民・計画主体間の情報交換ツールとしての利用可能性,サイレント・マジョリティーの意見の把握可能性等について検討することが可能となった.
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